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Booz & Company


 

ブーズ・アンド・カンパニー株式会社
2008年12月3日


-グローバル化するR&D投資の傾向が明らかに-
ブーズ・アンド・カンパニー
第4回グローバル・イノベーション調査を実施 

 


 世界的な経営コンサルティング会社 ブーズ・アンド・カンパニーは、第4回グローバル・イノベーション調査を実施した。この調査は、研究開発に最も多額の費用を投入した世界の公開会社のトップ1000社を「グローバル・イノベーション1000社」として特定し、研究開発が企業業績に及ぼす影響および企業業績について評価を行い、高い費用対効果を生むためには何が手がかりになっているのかを探るものである。
 その結果、これら企業は昨年もR&Dへの積極的な投資を行っており、2007年のR&D支出総額は、1999年以降の年複利成長率6.7%を大幅に上回る、前年比10%増(4,920億ドル)であることが判明した。
また、上位米国企業80社の国外R&D支出比率は55%(801億ドル)に達しており、日本の上位43社も56%(404億ドル)、欧州の上位50社の欧州外R&D比率は44%(514億ドル)であった。
 中国とインドでのR&Dも活発化しており、グローバル上位184社から両国へのR&D投資額はそれぞれ247億ドルと130億ドルで、R&D輸入国の1位と2位でした。一方、この両国に本社を置く企業のR&D支出も22%増加しており、世界全体の年複利成長率の5.6%を大きく上回っている。

2007年R&D支出額 トップ5企業


《本件に関するお問い合わせ先》
ブーズ・アンド・カンパニー株式会社
マーケティングコーディネーター 須田
TEL.03-6757-8683  FAX.03-6757-8667
Email :
info.japan@booz.com



 

ブーズ・アンド・カンパニー
グローバル・イノベーション調査結果概要

国外へのR&D支出が増大
 調査の結果、平均的な多国籍グローバル企業では、R&D支出総額のうち本国での支出額は45%にすぎず、半分以上を、専門的なR&D技能、新たな市場への近接性、現地顧客についての見識等を利用するため、事業展開を行っている他の国に投資していることがわかった。
 統計的には、同業他社と比べてR&D支出が多いことが、より優れた業績に結び付くという有意性は示されていない。しかし、過去3年間にわたりR&D支出の60%超を本国以外に投資した企業は、株主総利益、営業利益率、株式時価総額の伸び、総資産収益率の点で、より優れた業績を挙げているようである。さらに、R&D支出総額のうち海外投資額の割合が、売上全体に占める海外売上高の割合よりも高い企業は、それが低い企業に比べ、3年間の株式時価総額の伸びが50%も高かった。

 また今年の調査では、上位184社の地理的分布について掘り下げた新たな調査も行った。これら184社の2007年のR&D支出総額は3,510億ドルに達し、これは「グローバル・イノベーション1000社」の合計の71%、全世界の民間R&D支出の57%を占める。

主な調査結果は以下の通りである。
日本の上位43社の国外R&D比率は56%(404億ドル)
 上記184社の分析から、米国に本社を置く企業が他の国に801億ドル相当のR&D支出を行っている一方、米国以外に本社を置く企業は米国で実施されるR&D活動に426億ドルを投じていることが明らかになった。すなわち、米国におけるR&D活動に投入される資金の40%は、米国外に本社を置く企業が投じたものである。その他こうした両方向の国外R&D支出の動きがある国は、ドイツ、イギリス、フランス、日本である。

日本への外国企業からの製品開発R&D支出は、米国に次いで世界第2位
 このように大量の資金流入の結果、米国は実際のR&D活動が最も多く行われている国であり、2位の日本の2.7倍と、他を大きく引き離している。しかし、R&D支出の純「輸入国」のトップは中国とインドであり、上述の184社から両国へのR&D投資額はそれぞれ247億ドルと130億ドルとなっている一方、これらの国から海外へのR&D支出額は極めて少ない。外国企業によるR&D投資の受け入れ額が多い国は、ほかにカナダ、イスラエル、イギリスである。

人件費の格差はもはや研究開発を海外で行う第一の理由ではない
 低コスト国の多くで人件費が高騰したこともあり、人件費の安さはR&D施設を海外に移転する理由の三分の一を占めるにすぎない。調査では、人件費の格差を利用することによってコストを節約できる余地もまだあることが示されている。中国やインドといった人件費の安い国に10%超を投じている企業は、3年間の売上高の伸びが25%向上し、3年間の株式時価総額の伸びでは最大67%向上した。

大規模少数運営がR&D成功への道
 複数の国でR&D活動を行っている企業のうち、より大規模なR&D施設を少数運営している企業のほうが、3年間の営業利益の伸びと株主総利益が30%優れ、3年間の株式時価総額の伸びでは40%上回った。

インド・中国企業-R&Dへの投資はまだ少ないものの、支出額に急速な伸び
 世界のR&D活動全体から見れば、「グローバル・イノベーション1000社」の支出総額のわずか1%を占める存在にすぎないインドと中国だが、この両国に本社を置く企業のR&D支出の絶対額は22%増加しており、世界全体の年複利成長率の5.6%を大きく上回っている。
他地域の支出伸び率とシェアは、欧州(12%増加、シェア31%)。北米(9%増加、シェア42%)、日本( %増加、シェア %)であった、北米、欧州、及び日本に本社を置く企業が支出総額の94%を占めており、これは前年を1%下回った。

2007年のR&D支出の三分の二は、
コンピューター関連・電子機器(29%)、ヘルスケア(22%)、自動車(16%)の3つの産業に集中
コンピューター関連・電子機器のR&D支出の70%が、米国と日本に本社を置く企業によって占められている。しかし、そのうちこの2カ国に投じられている金額は40%に満たず、残りは20カ国以上の国に分散されている。
• ヘルスケアのR&D支出の30%が研究に、70%が製品開発に投じられている。製品開発の約三分の二は新興市場における支出であるが、これは低コストで臨床試験スタッフを雇用するためである。一方で研究部門の伸びは鈍く、2007年のR&D支出の95%近くが米国、欧州及び日本における創薬に費やされている。
• 自動車産業のR&D支出の83%が、米国、ドイツ、日本の3カ国からのものだったが、これら3カ国で実施されたR&D活動はR&D支出総額の60%にすぎない。自動車産業における研究開発は、中国や東欧といった新興自動車市場に設計拠点を置く流れになっている。

調査ではさらに以下のことがわかった。
調査対象全体のR&D支出のうち、63%をトップ100社が占めている。
• 概算上「グローバル・イノベーション1000社」が2007年の全世界における企業のR&D支出総額6,130億ドルの80%を占める。
• 「グローバル・イノベーション1000社」の2007年の売上は約12%増の13兆2,000億ドルで、2007年のR&D支出の伸び率よりも2%高い。このため売上高R&D費比率は3.7%と、2006年の3.8%から減少し、過去10年間の下落傾向が今年も継続した。
• 北米に本社を置く企業の売上高R&D費比率は4.8%と2006年から横ばい
日本に本社を置く企業では前年より0.1%低い3.6%
• 欧州に本社を置く企業では前年より0.2%高い3.6%
• 調査を行った10の産業セクターのうち8セクターでR&D支出の伸びが加速した一方、ヘルスケアと消費財では今年、伸びが減速した。売上高R&D費比率が高かったのは
• ソフトウェア・インターネット業界(13.6%)
• ヘルスケア(13.4%)
• コンピューター関連・電子機器(7.0%)

ブーズ・アンド・カンパニー「グローバル・イノベーション1000社」:調査方法
 ブーズ・アンド・カンパニーはまず、2007年にR&Dに最も多額の費用を投入した世界の上場会社1000社を特定(R&D支出額について公的なデータが存在する会社)。単一の親会社に50%超所有されている子会社については、決算報告が親会社の財政報告書に含まれているので除外した。
 次に、上位1000社各社について、2001年から2007年までの主要な財務指標を分析した(売上高、粗利益、営業利益、純利益、R&D支出額、及び株式時価総額)。支出額の数字はすべて、その年の平均為替レートに従って米ドルに換算した。これに加え、株主総利益のデータも入手し、各社が属する現地市場の株主総利益に応じて調整した。
各社を、ブルームバーグ社の産業分類基準に沿って9つの業界(あるいは「その他」)に、そして本社所在地によって5つの地域に分類した。R&D支出水準の業界間の有意な比較を可能にするため、各社のR&D支出額レベルと財務業績指標を、該当する業界の中央値に合わせて指数化した。

 R&D支出の世界分布と、その背後にある要因及び業績への影響を理解するため、今年の「グローバル・イノベーション1000社」のうち、一部の企業について詳しい調査を実施した。これらの企業の2007年のR&D支出総額は3,510億ドルに達し、「グローバル・イノベーション1000社」の71%、全世界の民間R&D活動の57%を占めている。一部の企業のリーダーに対してはさらに補足的なインタビューを実施した。
「グローバル・イノベーション1000社」の調査結果は、こちら:"Beyond Borders: The Global Innovation 1000."(英語)